Letter 環境:海洋性エアロゾルに対する生物起源の有機物の寄与 2004年10月7日 Nature 431, 7009 doi: 10.1038/nature02959 海洋性エアロゾルは地球上のエアロゾル量に大きく寄与し、結果的に地球のアルベドおよび気候に重要な影響を及ぼす。これまで海洋性エアロゾルに対する研究は主に、海塩性および非海塩性の硫酸塩に由来するエアロゾルの形成に注目してきた。しかし近年の野外実験では、無機化学種からの既知のエアロゾル形成過程では、マイクロメートル以下の大きさで存在するエアロゾルの全体量を説明できないことが示されている。また複数の実験的研究で、海洋性エアロゾル中に高濃度の有機物が存在することが指摘されている。有機物の組成に関してはある程度の情報が得られているが、エアロゾルの大きさの関数としての海洋性エアロゾルに対する有機物の寄与、ならびに親水性か疎水性かの区別に関する知見は得られていない。今回、春から秋にかけて生じるプランクトン大量発生時の北大西洋における、マイクロメートル以下の海洋性エアロゾルの物理的および化学的特性を測定した。その結果、プランクトン大発生時には有機成分が大部分を占め、マイクロメートル以下の海洋性エアロゾル量の63%に寄与することがわかった(約45%が非水溶性、約18%が水溶性)。冬季には生物活動は低調となり、有機成分は15%に減少した。今回のモデルシミュレーションの結果、有機物が雲粒密度を15%から100%以上高めることが可能であり、このため海洋生物群を含む「エアロゾル−雲−気候」のフィードバック系の重要な成分であることがわかる。 Full Text PDF 目次へ戻る