Letter 細胞:p19ARFは直接的で差別的な機構によりp53とは無関係にc-Mycの機能を制御する 2004年10月7日 Nature 431, 7009 doi: 10.1038/nature02958 発癌性の転写因子c-Mycの発現増加は、無秩序な細胞周期の進行の原因となる。c-Mycはアポトーシスを引き起こすこともできるが、c-Mycの標的遺伝子の活性化や抑制がc-Mycの持つ多様な機能に影響しているかどうかは明らかではない。監視を受けない細胞周期の進行は過剰増殖や腫瘍形成を引き起こすため、p53やp19ARF(ARF)などの癌抑制因子がc-Mycの増加に応じて細胞周期の進行を抑制することは重要である。c-Mycの増加がARFの発現を誘導し、それがp53の活性化を介した細胞周期の停止やアポトーシスを惹起し得ることはすでに明らかである。本論文では、ARFがp53とは無関係に、独自の直接的な機構によりc-Mycを阻害し得ることを示す。c-Mycが増加するとARFがc-Mycと結合し、c-Mycの持つ転写を活性化して過剰増殖と形質転換を誘導する能力を著しく阻害する。これに対し、c-Mycの転写抑制能力はARFの影響を受けず、c-Myc介在性のアポトーシスは促進される。ARFがc-Mycに対して及ぼすこのような2つの異なる影響は、c-Mycが誘導する過剰増殖とアポトーシスの分子機構が異なることを示唆している。この直接的なフィードバック機構は、c-Mycの仲介する腫瘍形成を阻止するためのp53非依存性のチェックポイント機構に相当する。 Full Text PDF 目次へ戻る