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海洋:沿岸と外洋の珪藻類の光合成装置の構成は異なる

Nature 431, 7009 doi: 10.1038/nature02954

珪藻類は真核生物の植物プランクトンの重要な分類群であり、地球規模の炭素固定に大きく寄与している。珪藻類は、沿岸水と外洋水で、溶存鉄濃度などの環境特性に顕著な勾配を示しながらも海洋生態系に遍在する。これまでの研究では、珪藻類や他の真核藻類の沖合種が、低い鉄要求性を進化させて、鉄分の少ない外洋水中で生存できることが報告されているが、鉄要求量の低さを担う生化学的機構は不明である。本論文では、実験室で培養したモデル種を用いて、沿岸性と外洋性の珪藻の光合成装置構成に基本的な違いがあることを報告する。具体的には、外洋性珪藻は沿岸性珪藻と比較して、光化学系Iの濃度が最大5倍低く、シトクロムb6f 複合体の濃度が最大7倍低い。光合成装置にみられるこうした変化は、外洋性珪藻細胞の鉄要求量を大きく低下させるが光合成率を変えることはない。しかし外洋性珪藻類は、動的で濁度の高い沿岸水の特徴である、光の強度の急激な変動に順応する能力を犠牲にした可能性がある。珪藻類と、そしておそらくは他の真核生物の藻類分類群は、外洋水と沿岸水の水中光環境のこうした差を利用して、光合成能力を損なうことなく鉄要求量を少なくすることが可能になったと考えられる。この適応は、珪藻類の外洋への進出を促したと考えられ、またこのような鉄が不足した環境での生存に寄与している。

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