Letter

物理:液体金属水素の超伝導から超流動への相転移

Nature 431, 7009 doi: 10.1038/nature02910

水素は最も単純な原子ではあるが、最も単純な固体や液体を作るわけではない。これらの凝縮相における量子効果は(陽子の質量が小さいため)大きく、空間秩序を含む多くの物理的性質において実証できるほどの明らかな影響を与え、またしばしば困惑させる結果をもたらす。今日に至るまで、高密度な水素の構造はまだ実験的に解明されていない。水素の融解曲線に関する最近の研究から、(実験的に到達可能な)高圧下で圧縮された水素は、低温でも液体の状態をとることが示唆されている。この相に到達すると水素はまた、絶縁体から金属への転移を起こすと考えられる。したがって、物質の新しい状態が現れる可能性がでてくる。すなわち基底状態付近の液体金属、および量子領域におけるその秩序ある状態である。秩序ある量子流体は、伝統的に超伝導体と超流動体に分類される。前者は電流、後者は質量の流れに散逸がないことが特徴である。今回、液体金属水素のとり得る相について空間秩序の位相幾何学的な解析を行い、秩序ある量子流体の新しい型と思われる相を見出したことを報告する。具体的にいえば、液体金属水素は超伝導体あるいは超流動体のどちらかだけに分類することはできないことを示す。磁場が存在するとき、液体金属水素は超伝導体から超流動体の間で、秩序ある状態へ幾つかの相転移をおこすと予測される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度