Letter 生態:更新世から完新世までのオオツノジカとケナガマンモスの絶滅動態 2004年10月7日 Nature 431, 7009 doi: 10.1038/nature02890 更新世後期の、よく知られた多くの大型哺乳類(大型動物相)の絶滅は通常、ヒトによる大量狩猟や、気候/植生の変動、もしくは両者が組み合わさったことに起因すると考えられてきた。これらの仮説を検証するためには、こうした絶滅の地理的条件や年代情報を正確に知ることが不可欠となる。北ユーラシアの大型動物相が更新世/完新世移行期までに姿を消したとする従来の予想に対して、まず疑問が抱かれたのは10年ほど前のことで、シベリア北東沖のヴランゲリ島で出土した1番最近のケナガマンモスの死骸が古代エジプト文明と同年代のものだとする報告によってだった。今回我々は、もう1つの立派な大型動物相種であるオオツノジカ(アイルランドヘラジカ)が、従来考えられていた最終生息年代よりも3,000年以上後になる放射性炭素測定年代で約6,900年前(暦年代で約7,700年前)まで西シベリアに生息していたことを報告し、したがってこのシカの消滅理由は更新世ではなく完新世の出来事に求めるべきであることを示す。オオツノジカもケナガマンモスも、主に気候/植生の変動によって、絶滅する前に分布が大きく変化した。両者の反応の違いは、生態の大きな違いを反映したものである。 Full Text PDF 目次へ戻る