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遺伝:Pack-MULE転位因子は植物の遺伝子進化にかかわっている

Nature 431, 7008 doi: 10.1038/nature02953

Mutator類似の転位因子(MULE)は多くの真核生物ゲノムに見られ、高等植物で特に多い。トウモロコシ、イネ、シロイヌナズナでは、細胞遺伝子の断片を含むMULEが少数見つかっている。このようなキメラ因子を、本研究ではPack-MULEと呼ぶことにする。イネはMULEが多く、またゲノム配列のほとんどが解読されているため、ゲノム全域でPack-MULEの存在とその実体とを系統立てて分析できる。本論文では、イネに3,000以上のPack-MULEが存在し、そこに含まれる断片は1,000種類以上の細胞遺伝子由来であることを明らかにする。Pack-MULEには、染色体の複数の遺伝子座に由来する断片が融合して新たなオープンリーディングフレームをつくっている断片を含むことが多い。その一部は発現されてキメラ転写産物を生じている。Pack-MULEの約5%は、相補的DNAの中に対応するものが見つかる。アミノ酸配列の機能的分析とプロテオミクスのデータから、Pack-MULEに取り込まれた遺伝子断片の一部は、機能している可能性が示唆される。細胞遺伝子とPack-MULE中の断片とを比較すると、ゲノムDNAがMULEに取り込まれ、何百万年もかけて再編成と増幅が起こったことがわかる。イネにみるPack-MULEの多さと、MULEがこれまで調べられた植物ゲノムすべてに広く存在することを考えると、Pack-MULEによる遺伝子断片の取り込みは、高等植物のこれまで知られていなかった重要な遺伝子進化機構にあたるのかもしれない。

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