Letter 細胞:線虫のアセチルコリン受容体のクラスター形成に必要な膜貫通型タンパク質 2004年9月30日 Nature 431, 7008 doi: 10.1038/nature02893 効率のよい神経伝達には、シナプスにおける神経伝達物質受容体のクラスター形成が不可欠である。今回我々は、シナプス後部におけるイオンチャネル型アセチルコリン受容体(AChR)の凝集に必要な線虫の遺伝子座として、lev-10を同定した。lev-10変異体は、駆虫薬レバミソールに対する抵抗性の弱さに基づいて同定した。レバミソールは線虫類に特異的なコリン作動薬で、濃度が高いと、神経筋接合部(NMJ)に存在するAChRを活性化し、筋肉を過剰に収縮させて死に至らせる。lev-10変異体では、NMJにおけるレバミソール感受性AChRの密度が著しく低下するが、筋細胞表面側の正常な機能をもつAChR数は変化しない。LEV-10はコリン作動性NMJに局在する膜貫通型タンパク質で、体壁筋でのAChRのクラスター形成に必要である。また、LEV-10の細胞外領域には予測されたCUBドメインが5個とLDLaドメイン1個が含まれ、細胞外領域だけで十分に、lev-10変異体のAChR凝集が回復することも示す。このことから、AChRクラスター形成機構は、細胞外のタンパク質-タンパク質相互作用に基づくものと考えられる。哺乳類の神経系では、機能はわからないがLEV-10に類似するCUB/LDL膜貫通型タンパク質が発現されていることから、このようなクラスター形成機構が進化上よく保存されている可能性が高く、脊椎動物におけるイオンチャネル型受容体のクラスター形成にもこの機構が用いられているかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る