Letter 進化:すべての現生人類の最近の共通祖先をモデル解析 2004年9月30日 Nature 431, 7008 doi: 10.1038/nature02842 現生人類の共通祖先を、現在生存する人々すべての系図上の先祖にあたる1個人だと定義した場合、ランダムに交配する集団について見た、最も近い共通祖先(MRCA)は過去のかなり近い時代に生きていたことになる。しかし、このランダム交配モデルでは、個人が同一の社会グループから配偶相手を選ぶ傾向や、地理的に離れたグループ同士の相対的隔離といった、集団内部構造の基本的側面を無視している。本論文では、集団内部構造をかなりの程度取り入れた2つのモデルからも、共通祖先が最近の存在であった結果が得られることを示す。1つのモデルは単純性と理論的考察のために設計されたもので、確率論的解析によって具体的な数理的結果が得られる。第2のより複雑なモデルは、より現実に沿って過去の個体群動態をとらえるために設計されたもので、モンテカルロ・シミュレーションでコンピューター解析される。2つの解析から、全現生人類の系図は年代的に最近の時代に注目すべき形で重なり合っていることが示唆される。とくに現在の全人類のMRCAは、これらのモデルでは今からわずか2,000〜3,000年前に生きていたことになる。しかも、MRCAよりもわずか2,000〜3,000年余り前に生きていた人々すべての中に、現在の個々人の系図上の先祖がまったく同一の組み合わせで存在することになる。 Full Text PDF 目次へ戻る