Letter 進化:北米東部の並外れた第三紀後期森林生物相で見つかった2つの新しい食肉類 2004年9月30日 Nature 431, 7008 doi: 10.1038/nature02819 北米の新生代後期の陸生化石記録は北米大陸の西半分にほぼあたる中緯度地方の堆積物に大きく偏っている。そのため北米東部の、東部落葉樹林を含む生物史はほとんどわかっていない。残念ながら、この広範な地域には脊椎動物の化石発掘遺跡がまれで、そのなかでも全地球的に気候変動が激しくなった、きわめて重要な第三紀後期に関係するものがほとんどない。さらに、北米東部と東アジアの植物相には系統分類的に強い類似性がみられ、このことから昔は直接つながりがあったことは明らかだが、共通する属の間にある違い(東アジアと北米東部の隔離)を考えると、少なくとも中新世以降では長期にわたる隔離が何回か続いたことになるだろう。アパラチア山脈南部のかつてのすり鉢状の穴に堆積した湖成層は、中新世後期から鮮新世前期の森林生態系を作っていた陸生生物相を知るうえで貴重な例となる。今回我々は、この堆積物内に含まれていた脊椎動物の化石が、北米産分類群とユーラシア産分類群からなる固有の組み合わせになっていることを報告する。これまでで最古の最も原始的なレッサーパンダの新属新種(Pristinailurus bristoli)が見つかった。また動物相の中には、ユーラシア産アナグマの新種(Arctomeles dimolodontus)と、かつて記録されたなかで最大規模のバク類化石群があった。新しく見つかった2種の食肉類を分岐解析したところ、従来の記録で示されたものとは別に、より古い年代の移動があったこと、また第三紀後期の北米東部と東アジアの動物相の類似性の高さが同時期の植物記録と一致することが強く示唆された。 Full Text PDF 目次へ戻る