Letter 物性:ミリケルビン温度における希土類原子の磁気トラッピング 2004年9月16日 Nature 431, 7006 doi: 10.1038/nature02938 量子縮退ガスを生成することが可能になったため、分子のボーズ‐アインシュタイン凝縮の実現、原子−原子間の量子もつれ合い、そして、原子−表面相互作用におけるカシミール力の正確な測定が行われるようになった。いくつかの例外を除いて、量子縮退は磁気的にトラップした原子を超低温まで蒸発冷却して実現する。磁気トラップに原子を閉じ込め、その電子磁気モーメントが磁場と反平行にそろうようにする。このアラインメントは、原子雲が衝突して熱化する間を通じて保たれる必要がある。量子縮退は球対称なS状態原子(内部軌道角運動量が零の原子)で達成されている。しかし、非S状態原子(内部軌道角運動量が零でない非球形原子)では原子磁気モーメントの衝突緩和が急激に起こると考えられている。本論文では、非S状態の希土類原子の磁気トラッピングを、衝突における相互作用異方性の抑制を観測することによって実証した。これらの原子は、その不対電子が、それより外側にある球対称な2個の充填された電子殻によって遮蔽されるため、あたかもS状態原子のようにふるまう。我々の結果は非S状態原子による量子縮退ガスの生成に有望であり、また、基礎定数の時間変動の探索や、大きい磁気モーメントを持つ原子を使った量子コンピューターの開発で有用になるであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る