Letter 地球:地下深部の石油貯留層内の嫌気的炭化水素生物分解 2004年9月16日 Nature 431, 7006 doi: 10.1038/nature02922 地下の石油貯留層における原油の生物分解は経済的に大きな影響のある重要な変質過程である。地表における石油中の炭化水素の酸素による分解は十分な証拠による裏付けがあり、酸素と栄養物を含んだ天水が貯留層に流れ込むことが貯留層内の石油の生物分解には必要であると長い間考えられていた。好気的条件とはなりそうもない貯留層内で石油の生物分解が起きていることは、油田地帯で嫌気的な微生物が同定され嫌気的条件での炭化水素の生物分解機構が発見されていることと合わせて、嫌気的な分解過程も原因となりうることを示唆している。しかしながら、世界中の深部石油貯留層で嫌気的な炭化水素の分解過程がどの程度起きているかは激しい議論が続いている。さらに、深部の石油貯留層内における条件下で炭化水素を分解することが実証された生物はまだ分離されていない。本論文では、量的に重要なカナダのタールサンドを含む、世界中の海洋および湖から得られた77個の分解した石油試料から、かなりの割合で嫌気的炭化水素分解が起きたことを示唆する代謝産物を分離したことを報告する。したがって、我々の結果は嫌気的炭化水素分解が生物分解の起きた地下の石油貯留層では一般的な過程であることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る