Letter 化学:ゼオライト合成の有機指示剤として働く超分子性自己集合分子 2004年9月16日 Nature 431, 7006 doi: 10.1038/nature02909 ゼオライトのように均一なミクロ細孔をもつ固体材料は、小さくて孔を通る分子を、外に残る大きい分子から分離できるため、分子混合物に対する選択的な触媒や吸着剤として働く。ゼオライトAはボイド容量の大きいミクロポーラス材料である。工業的には分子分離や洗浄などに広く利用されているが、酸触媒活性と熱水安定性に乏しく、疎水性も低いため石油精製材料としての能力は限られている。これらの性質の究極的な原因は、骨格のSi/Al比が低く(通常1程度)、そのため孔と空洞内のカチオン分率が高いことにある。これまでの研究でSi/Al組成比は3まで上がり、A型ゼオライトの特性は改善されてきた。今回我々は、Si/Al比が無限(純粋なシリカ)までと高いゼオライトA構造の合成を報告する。ITQ-29と名付けたこの材料の合成には、π−π型相互作用を介した2個の同等な有機カチオン部分の自己集合で得られる超分子性有機構造指示剤を用いた。疎水性の高い純シリカゼオライトAは、オリゴマー化反応を起こさない炭化水素分離に使用できる。一方、Si/Al比が高い材料は形状選択性に優れたクラッキング添加剤となり、流体接触分解操作におけるプロピレン収率を高める。我々はさらに、超分子性構造指示剤の使用を他のゼオライト合成にも広げた。 Full Text PDF 目次へ戻る