Letter 生理:ショウジョウバエの側心体細胞の保存されたグルコース感知・調節機構 2004年9月16日 Nature 431, 7006 doi: 10.1038/nature02897 哺乳類では、グルカゴンとインスリンの拮抗的な作用が代謝を調節しており、このバランスの崩れが糖尿病発症の原因となる。ショウジョウバエDrosophilaのような昆虫の脳のインスリン産生細胞(IPC)も血清グルコースを調節しているが、グルコースの恒常性を制御するホルモンはインスリンだけなのか、あるいはIPCにおけるグルコース感知機構や応答機構が膵島における感知、応答機構に似ているかどうかは不明である。今回我々は、標的とした細胞を除去することにより、ショウジョウバエの環状腺の側心体(CC)細胞も幼虫のグルコース恒常性に重要な役割を果たしていることを明らかにする。IPC細胞と違ってCC細胞は、スルフォニル尿素受容体(Sur)とカリウムチャネル(Ir)のショウジョウバエにおける同族体を発現する。これらのタンパク質は、ATP感受性のカリウムチャネルを構成し、哺乳類の膵島やグルコース感知細胞によるホルモン分泌を調節する。またCC細胞は、グルカゴンに似た働きをするポリペプチドである脂質動員ホルモンも産生する。Surのサブユニットを標的とする薬剤であるスルフォニル尿素にCC細胞を曝露すると、CC細胞によるグルコースの調節が阻害される。さらに、akhを導入して遍在性に発現させると、CC細胞除去による血清グルコースへの作用がもとに戻る。したがって、ショウジョウバエのCC細胞はグルコースの恒常性の重要な制御因子であり、膵島細胞に類似したグルコース感知、応答機構が用いられている。 Full Text PDF 目次へ戻る