Letter 遺伝:漢文化が人口移動によって拡散したことを示す遺伝的証拠 2004年9月16日 Nature 431, 7006 doi: 10.1038/nature02878 人間集団における文化および言語の拡がりは以下の2つのモデルのどちらかで説明される。1つは人口拡散モデルで、大規模な人口移動が関与する。もう1つは、集団間での文化的影響に関する文化拡散モデルで、集団間での遺伝子交換は限られたものとなる。欧州における移住・定着がどのようにして起こったかについては長く議論が続いており、中近東からの農業および言語の拡散が、農民の大規模移動と同時期に起こったかどうかが重要な問題である。今回、漢民族のY染色体およびミトコンドリアDNAの変動を体系的に解析することで、漢文化の南方への拡大のパターンが人口拡散モデルと矛盾しないこと、またこの拡大には女性より男性が大きな役割を果たしたことがわかった。漢民族は、同じ文化および言語を共有し、11億6千万人(2000年の統計)を上回る、とび抜けた規模の世界最大の民族である。したがって、漢文化の拡大過程は、多くの分野の研究者の関心を呼ぶと思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る