ゲノムには地球上の生命進化の記録が刻まれている。だが、ゲノムの融合や遺伝子の水平移動によって、生命系統樹の復元が難しいほどに遺伝子配列の記録は薄れてしまったとみられている。今回我々は、代表的な原核生物および真核生物の全ゲノムデータと、太古のゲノム融合や系統樹の復元を可能にする新しいゲノム解析手法とを用いて、系統樹の概要をとらえた。この解析結果によれば、真核生物ゲノムは2種類の原核生物ゲノムが融合してできたものであり、したがって生命系統樹は実際には、原核生物と真核生物とをつなぐ最も根元部分で「生命の環(ring of life)」を形作る。融合の一方の相手は光合成を行う太古のクレード深部から分岐し、他方は古細菌原核生物に近い。前者の融合生物にあたる真正細菌はプロテオバクテリアか、もしくはシアノバクテリアとプロテオバクテリアを含むもっと大きい光合成細菌クレードの一員である。