Letter

海洋:完新世の熱帯太平洋西部における海面温度と塩分濃度の減少

Nature 431, 7004 doi: 10.1038/nature02903

現代の気候においては、海洋表面水の塩分濃度は、熱帯太平洋西部で低く、太平洋海盆の東部に向かうにしたがって増加する。熱帯太平洋における海面の塩分濃度は、大気の対流、降水、蒸発、海洋の力学の組み合わせによって支配されていると考えられており、数年の時間スケールでは有意な変動がエルニーニョ・南方振動サイクルと関連づけられている。しかしながら、百年から千年の時間スケールでの大気海洋結合システムの変動については、理解がほとんど進んでいない。本論文では、熱帯太平洋西部での3つの堆積物コアから回収された有孔虫の酸素同位体とMg/Ca比のデータを組み合わせて、この領域での完新世の海面の温度と塩分濃度を再現した。その結果、過去1万年にわたり海面温度が約0.5℃低下し、海面塩分濃度がおよそ1.5実効塩分濃度単位だけ減少したとわかった。得られたデータから、太平洋海盆が全体として次第に塩分を失ってきたか、あるいは、赤道に沿った現在の塩分濃度勾配が比較的最近になって生じてきたかのどちらかだと考えられる。

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