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生化学:先体の束の構造

Nature 431, 7004 doi: 10.1038/nature02881

アメリカカブトガニの活性化されていない精子では、タンパク質スクルインによって架橋されたアクチンフィラメントの60 μmの長さの束が、曲げられねじり合わされて核の基部周囲を取り巻いている。受精時には、巻かれた束がほどけて5秒間で完全に伸張し、先体突起として知られる指状に突き出た膜部分を支えるようになる。この生物バネは蓄えられていた弾性エネルギーを動力としており、モータータンパク質の働きやアクチン重合は必要としない。低温電子顕微鏡を使って分解能9.5Åで得られた伸張した束の構造では、アクチン−スクルインからなるサブユニットのねじれ、傾き、回転が「標準的な」F-アクチンフィラメントのものと大きくずれていることを示す。先体構造を作る際にF-アクチンのこのような可変性を利用したことで、伸張状態でアクチンフィラメントを極めて秩序性の高い状態に詰め込み固い束を形成することが可能となっている。またこのことは、巻いた状態と伸張状態の間で構造を崩すことなくエネルギーを蓄積・放出する機構を示唆するものである。

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