Letter 医学:自然免疫応答を抑制する強毒性結核菌株の糖脂質 2004年9月2日 Nature 431, 7004 doi: 10.1038/nature02837 結核菌の新たな感染は毎年5千万件発生し、世界中で2〜3百万人の命が結核によって奪われている。結核菌株間には大きな遺伝的不均一性は一見欠如しているにもかかわらず、発症に重要である分子にかなりの不均一性が存在するという証拠は増えつつある。こうした遺伝子上の相異は、いくつかの単離株の宿主細胞免疫応答を調節する能力の差となって現れ、それが臨床的結果が多様であることの原因となっているのかもしれない。本論文では、マウス病態モデルで非常に高い致死性を示す北京ファミリーW株に属する結核菌単離株の一部が産生する生物学的に活性が高い脂質である、ポリケチド合成酵素由来フェノール性糖脂質(PGL)の同定と機能的関連について記述する。PGL合成の阻害は、この強毒性表現型を失わせるが、罹病時の細菌負荷に著しく影響することはない。PGL消失は、in vitroで炎症誘発性サイトカインである腫瘍壊死因子-α、インターロイキン6および12の放出増加と相関することが見いだされた。さらに、結核菌によるPGLの過剰産生や単球由来マクロファージへの精製PGLの投与は、これらの炎症誘発性メディエーターの放出を容量依存的に阻害することが明らかとなった。 Full Text PDF 目次へ戻る