Letter 発生:Patchedタンパク質の結合型・非結合型の比の計測によるHedgehogモルフォゲン勾配の読み取り 2004年9月2日 Nature 431, 7004 doi: 10.1038/nature02835 モルフォゲンは局所的な産生部位から拡散する「形態創成」物質であり、濃度毎にそれぞれ異なる細胞応答を指定する。細胞によるモルフォゲン濃度の感知は活性型受容体の数によって決定され、不活性型受容体は関与するとしてもその効果はわずかであると考えられている。モルフォゲンであるHedgehog(Hh)に対する受容体Patched(Ptc)は、リガンドが結合していない状態で活性型であり、Hhシグナル経路に必須の変換因子Smoothened(Smo)を抑制することで標的遺伝子の発現を阻害している。HhがPtcへ結合すると、PtcのSmo抑制能が消失して、その結果Smoが機能できるようになり、標的遺伝子の発現が誘導される。本研究では、細胞が行う周囲のHh濃度の計量が、活性型(リガンドを結合していない)Ptc分子の数だけで決定されているのではないことを示す。Hhの結合したPtcは、非結合型Ptcの抑制活性を滴定できることがわかった。さらにこの仕組みは、リガンドを結合できないがSmoを抑制する活性を維持しているPtcが存在する条件下で、Hh勾配を正しく読み取るために十分であることも実証する。これらの結果は結合Ptcと非結合Ptc分子の比がHhに対する細胞の応答を決定するというモデルを支持するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る