Letter 物理:スピンダイナミクスと磁気共鳴のプローブとしての自発的なスピン雑音の分光 2004年9月2日 Nature 431, 7004 doi: 10.1038/nature02804 実験測定においてすべての雑音が邪魔な存在になるわけではない。ある種の基本的な雑音源はその系自身に関する有用な情報を含んでいる。有名な例が、どのような抵抗器にも存在する固有の電圧ゆらぎ(ジョンソン雑音)であり、これによって抵抗器の温度を決定できる。磁気系では、基本雑音はランダムなスピンゆらぎの形でも存在する。例えば、磁場のない環境でもN個の常磁性スピンの統計ゆらぎから√N個のオーダーのスピンの測定可能な雑音が発生するはずである。本研究では、この効果を利用して摂動がない磁気共鳴を行った。非共鳴ファラデー回転を使って、平衡状態にある常磁性アルカリ原子集団の磁化雑音を受動的に検出した。そのランダムなゆらぎから自発的なスピンコヒーレンスが発生し、このコヒーレンスは、意図的に分極させた、あるいは駆動した集団の巨視的な磁化と同じ特性エネルギーおよび時間スケールで歳差運動し、減衰する。測定したスピン雑音の相関スペクトルから、g因子、核スピン、同位体存在比、超微細分裂、核モーメント、そしてスピンコヒーレンス寿命を、系を励起したり、光励起したり、あるいはその他の手段で駆動して、熱平衡からずらすことなく求めることができた。これら雑音の特徴は相互作用体積の逆数とスケールすることから、小さい系の非摂動的な、ソースを必要としない磁気共鳴に向けた新しい道が開かれるであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る