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細胞:ネトリン-1はアポトーシスを調節することによって結腸直腸癌の発生を制御する

Nature 431, 7004 doi: 10.1038/nature02788

さまざまな癌、特に結腸直腸癌の大多数では、染色体18qにおけるヘテロ接合性が失われているために、タンパク質DCC(deleted in colorectal cancerの頭文字)の発現が消失、あるいは著しく減少しており、そのためDCCは癌抑制タンパク質であるという見解がある。しかしDCCの変異が稀であること、DCC変異マウスで癌になりやすい傾向がみられないこと、18qに別の癌抑制遺伝子が存在することから、DCCの機能が癌抑制タンパク質なのかどうかに疑問も生じている。従来の癌抑制因子とは異なり、DCCは条件的にアポトーシスを誘導することが明らかにされている。リガンドであるネトリン-1が結合しない限り、DCCは依存性受容体(dependence receptor)として働いて、アポトーシスを誘導する。本論文では、マウスの消化管内でのネトリン-1の強制発現により細胞死を阻害すると、増殖性あるいは腫瘍性の病変が自然発生することを明らかにする。また、腺腫性大腸ポリポーシス変異があり腺腫形成をともなう個体では、ネトリン-1を強制発現させると悪性度の高い腺癌が生じる。これらのデータは、ネトリン-1が、おそらく細胞の生存を調節することによって腸の腫瘍発生を促進することを実証している。したがって、ネトリン-1受容体(群)は、条件的な癌抑制因子として働いていると考えられる。

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