Letter

物理:低濃度正孔をドープしたCa2-xNaxCuO2Cl2における「チェッカーボード」電子結晶状態

Nature 430, 7003 doi: 10.1038/nature02861

正孔ドープ銅酸化物の相図には零温度で4種類の異なる電子相が存在する。その中でよく知られているのはモット絶縁相、高温超伝導相、金属相である。4番目のよく分っていない相は、低濃度ドーピングの「擬ギャップ」領域の零温度境界線に存在する。この領域では特異な電子現象が多く生じるため、ここには何らかの隠れた電子秩序があるのではないか、という数多くの提案がなされてきた。本論文では、低濃度正孔をドープした銅酸化物Ca2-xNaxCuO2Cl2で行った低温での電子構造のイメージングについて報告する。(|E|>100 meVのエネルギーでの)トンネル分光法によって、ドープされたモット絶縁体で予測されるように、電子の注入確率より電子の抽出確率が非常に高いことを見出した。しかし、|E|<100 meVでは、このスペクトルはE=0に中心があるV字形のエネルギーギャップを見せる。このギャップ内部の状態は強く空間変調し、その空間相関は、エネルギーとは無関係に4個のCuO2を含む単位胞でできた正方形の「チェッカーボード」形になる。このチェッカーボード内部には、複雑な原子スケールの電子構造の空間変化も存在する。以上のデータは、これまで予想されていなかった電子結晶状態、おそらく、Ca2-xNaxCuO2Cl2の零温度擬ギャップ領域に存在する隠れた電子秩序であることを示唆している。

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