Letter 生化学:糖スフィンゴ脂質輸送特異性の構造学的基礎 2004年8月26日 Nature 430, 7003 doi: 10.1038/nature02856 脂質輸送タンパク質は、膜小胞の生物合成と輸送、シグナル伝達、免疫反応における提示といった過程において重要である。哺乳類に広くみられる保存された糖脂質輸送タンパク質(GLTP)は、分化や増殖、浸潤性接着、神経変性、そしてアポトーシスなど、糖スフィンゴ脂質によって仲介される細胞現象の制御因子として働いている可能性がある。本研究で、アポGLTP(分解能1.65Å)、あるいはラクトシルセラミドが結合したGLTP(分解能1.95Å)の結晶構造を報告する。ラクトシルセラミドが結合したGLTPでは、結合した糖スフィンゴ脂質は、適合認識後、今まで知られていなかった2層の全α-ヘリックスのトポロジーの間に挟まれる。糖スフィンゴ脂質の結合特異性は、糖アミドの頭部基が認識され、GLTP認識中心に水素結合ネットワークおよび疎水性相互作用によってつなぎとめられることにより、そして両方の脂肪鎖が「適合するように成形された」疎水性トンネル中に正確な向きですっぽりと入ることにより生じる。GLTPの2つのヘリックス間ループと1つのα-ヘリックスが関与するクレフト(溝)様コンホメーション開閉機構により、糖脂質鎖は膜に結合した状態でそのトンネルを出入りすることが可能になる。糖脂質認識中心の残基および疎水性トンネル内の残基の変異と機能の解析の結果、脂質の膜間輸送および提示過程においてGLTPがどのように糖スフィンゴ脂質を捕捉・解離するかを理解するための基礎が固まった。 Full Text PDF 目次へ戻る