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生化学:Argosはリガンドの隔離によって上皮成長因子受容体シグナル伝達を阻害する

Nature 430, 7003 doi: 10.1038/nature02840

上皮成長因子受容体(EGFR)は、発生やヒトの多くの癌に重要な役割を果たしている。発生の際にEGFRシグナル伝達の空間的な範囲を制御しているのは活性化因子と阻害因子で構成されるフィードバックループで、活性化因子については解明が進んでいるが、阻害因子については特徴があまりわかっていない。キイロショウジョウバエDrosophila melanogasterでは、EGFRの細胞外阻害因子として分泌タンパク質Argosが1つだけ知られていて、発生のさまざまな段階での役割が明らかになっている。Argosは、ショウジョウバエのEGFR(DER)が高レベルで活性化されているときにだけ発現し、それ以上のDERシグナル伝達を抑制する。ArgosがDERの活性化を阻害する遺伝学的証拠は多数得られているが、その生化学的機構はわかっていない。今回我々は、Argosが、受容体に直接結合するのではなく、DERを活性化するリガンドSpitzを隔離することによってDERシグナル伝達を阻害することを明らかにする。ArgosはSpitzのEGFモチーフに固く結合して、SpitzとArgosが1対1となる複合体を形成する。この複合体は、in vitroでも細胞表面でもDERには結合しない。これらの結果からArgosの作用機構が推察でき、EGFR阻害剤を設計するための新戦略が示唆される。

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