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生化学:エンベロープを持たないウイルスの膜侵入タンパクで起こる構造的再編成

Nature 430, 7003 doi: 10.1038/nature02836

エンベロープを持たないウイルス粒子(脂質2重層膜を欠いている)は標的となる宿主細胞の細胞質に到達するために細胞膜を突破しなければならない。これまで、この膜侵入段階の分子機構の構造解析は成功していなかった。ロタウイルスはエンベロープを持たないウイルスの1つで胃腸炎の原因となり、年間440,000人の小児の死亡原因となっている。そのスパイクタンパク質VP4はロタウイルスの侵入装置の主要素である。トリプシンによるVP4の切断は、VP4スパイクの再編成を起こしてこの部分を強固にし、ウイルスに侵入の準備をさせる。本研究では、ウイルス粒子から突出するVP4の主要部分の結晶構造を分解能3.2Åで決定した。結晶構造はコイルドコイル型の安定した3量体であるとわかった。この結晶構造を、トリプシン処理ウイルス粒子の低温電子顕微鏡像を分解能約12Åで再構成した画像中で2倍の大きさのクラスターを作っているVP4スパイクと比較した。その結果、VP4も2回目の再編成を起こしており、オリゴマーが再配置され、各サブユニットは折り返されて、膜と相互作用すると思われるペプチドがスパイクの一端から他端に移動していることがわかった。この再編成はエンベロープを持つウイルスの膜融合タンパクのコンホメーション変化に似ている。

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