Article 細胞:複製タンパク質AはAIDと結合して、体細胞高頻度変異の標的の脱アミノ化を促進する 2004年8月26日 Nature 430, 7003 doi: 10.1038/nature02821 活性化誘導型シチジンデアミナーゼ(AID)は一本鎖(ss)DNAの脱アミノ化酵素で、免疫グロブリン遺伝子の体細胞高頻度変異(SHM)やクラススイッチ組換えに必要である。クラススイッチ組換えでは、クラススイッチ領域の転写が起こってRループ内にssDNAが生じる。しかしSHMの場合には、免疫グロブリンの可変領域エキソンの転写は必要だが、安定なssDNA構造は生じないため、AIDが標的へ向かう機構はわからないままである。本論文では、in vitroで転写されたSHMモチーフをもつ基質をAIDが標的とする仕組みを明らかにする。AIDが標的を選べるのは、DNAの複製、組換え、修復にかかわるssDNA結合タンパク質である複製タンパク質A(RPA)によるもので、RPAの32-kDaサブユニットが活性化B細胞由来のAIDと特異的に結合する。この結合の様式は、翻訳後のAID修飾に応じて決まるらしい。したがって今回の研究は、RPAが免疫グロブリンの多様化にかかわる新しい因子であることを示している。B細胞特異的AID-RPA複合体がSHMの「多発領域」にあるごく小さい転写区域のssDNAを選んで結合し、その結果AIDによる脱アミノ化とRPAによるDNA修復酵素の動員が起こるのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る