Letter

材料:超高品質炭化ケイ素単結晶

Nature 430, 7003 doi: 10.1038/nature02810

炭化ケイ素(SiC)は優れた物理的、機械的、電子的特性をもつため、次世代電子デバイスの有望な材料となっている。従来SiC{0001}単結晶を成長させるときに熱的条件を注意深く考慮し、ホローコア転位(マイクロパイプ)、混在物、小傾角粒界、長距離の結晶格子反りなどの巨視的欠陥を減少させて、単結晶の品質改善と大口径化がなされてきた。しかし、少数の巨視的欠陥(1〜10 cm-2程度)と高密度(約104 cm-2)に存在する刃状転位、ベーサルプレーン転位(basal plane:c 面内の転位)、らせん転位などの素転位が単結晶内に残っており、これまでSiCによる高効率・高信頼性電子デバイスの実現を阻んできた。今回我々は、c 軸に垂直に成長した(a 面成長の)SiC単結晶の転位構造にヒントを得た単結晶作製法を報告する。これによりSiC単結晶中の転位の数は2〜3桁減少し、実質的に転位のない結晶となる。この結晶を基板とすれば、高出力のSiCデバイスの開発が進み、これを用いた電気系のエネルギー損失が減ると期待される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度