Letter 進化:中国で出土したジュラ紀中期のSphenosuchia類化石とワニ頭骨構造の起源 2004年8月26日 Nature 430, 7003 doi: 10.1038/nature02802 現生ワニ類の頭骨は、全体的に強固になっており、顎を閉じる筋肉が拡大したため、獲物を両顎ではさんで時間をかけて押しつぶして捕らえることが可能になった。ワニ類の現生種はすべて半水生であり、四肢は両側から突き出て広がり、横幅の広い体を主に左右にゆらして進む。しかし化石の記録は、ワニ類が陸生形態から進化したことを物語っている。こうした化石のうち最も走行に適したものは小型できゃしゃな形態で、四肢は細長く地面に対して完全に直立しており、これらはSphenosuchia類としてひとまとめに分類されてきた。だが、この仲間の類縁関係はよくわかっていない。情報の少ないジュラ紀中期の中国北西部の堆積物から見つかった新しいワニ形動物化石の頭骨には、現生ワニ類に典型的な適応形態がいくつか見られる。そして頭部より後方を見るとSphenosuchia類のものに似ているが、前肢は陸上走行にもっと適応している。今回我々は系統発生解析により、この化石動物が、現生ワニ類を含む大きい分類枠であるCrocodyliformes類に最も近い親戚筋にあたることを示す。したがって、現生ワニ類の頭骨がもつ重要な特徴が進化したのは、頭部より後方の骨格が現在の半水生の体型に向かって進化していた時期ではなく、走行性を高めるほうに向かって進化していた時期である。 Full Text PDF 目次へ戻る