Letter 生化学:複製ライセンス因子Cdt1のジェミニンによる阻害機構の構造生物学的解析 2004年8月19日 Nature 430, 7002 doi: 10.1038/nature02813 真核細胞では染色体の恒常性を保つため、ミニ染色体維持複合体(MCM複合体)が1細胞周期につき1度だけクロマチン上に結合することにより、複製開始点がライセンス化される。このライセンス化はジェミニン(geminin)とサイクリン依存性キナーゼの活性により制御される。ジェミニンは、複製ライセンス化機構の中でも本質的な分子であるCdt1に強固に結合し、すでに複製が開始された複製開始点上の不適当な複製の再開始を防ぐ。また、ジェミニンはCdt1とMCMヘリカーゼの相互作用を妨害することによりライセンス化を阻害していると考えられている。本研究では、マウス由来のジェミニン-Cdt1複合体の結晶構造をtGeminin(ジェミニンの79-157残基領域)とtCdt1(Cdt1の172-368残基領域)を用いて示している。tGemininのコイルドコイル2量体のアミノ末端はtCdt1のアミノ末端領域およびカルボキシ末端領域の両方と相互作用する。この複合体の主要な相互作用面は、tGeminin2量体とtCdt1にある2つの短いN末端ヘリックスの疎水表面との立体的な相補性によるものであり、特にPro 181、Ala 182、Tyr 183、Phe 186およびLeu 189が関与している。この結晶構造と生化学的解析より、tGemininのN末端領域はtCdt1との結合に必要であると考えられること、そしてtGemininのC末端領域はMCM複合体のtCdt1への接触を立体障害的に阻害することが示された。 Full Text PDF 目次へ戻る