Letter 農業:栽培化に伴う大麦の多型がウドンコ病に対する抵抗性を伝える 2004年8月19日 Nature 430, 7002 doi: 10.1038/nature02781 大麦(Hordeum vulgare)はおよそ1万年前に栽培化されて以来、旧世界の農業で中枢的役割を果たしてきた。Mlo遺伝子座の機能喪失した対立遺伝子(mlo)をもつ大麦系統は、広くみられるウドンコ病病原菌の既知すべての分離株に抵抗性を示す。これまでのところ自然生息域から探し出された唯一の抵抗性対立遺伝子mloであるmlo-11は、もともとエチオピアの土着種から見つかったもので、現在では栽培化されたヨーロッパ産春まき大麦優良品種の大部分がもつウドンコ病抵抗性を支えている。今回我々はハプロタイプ解析を行い、mlo-11対立遺伝子がおそらく、大麦栽培化ののち1度だけ生じたものであることを示す。mlo-11をもつ大麦の抵抗性は、野生型遺伝子の上流に挿入された、複雑な形の縦列反復配列と関係づけられる。この反復配列単位は短縮型のMlo遺伝子で、3.5キロベースの5'‐調節配列と1.1キロベースのコード配列からなる。この反復配列によりMlo野生型の転写産物とタンパク質の両方の蓄積を損なうような異常転写産物が作り出される。我々はmlo-11による抵抗性が減数分裂で不安定なことを利用して、ウドンコ病感受性のある復帰変異株を得たが、この変異株ではMlo機能の回復に反復単位列の切り出しが伴っていた。我々は、mlo-11をもつ大麦では転写干渉により転写装置の会合がcis依存的に乱されることが、疾患抵抗性を生じる仕組みだろうと考える。 Full Text PDF 目次へ戻る