Letter 化学:両親媒性樹枝状ジペプチドのらせん孔への自己集合 2004年8月12日 Nature 430, 7001 doi: 10.1038/nature02770 天然の孔形成タンパク質にはウイルスのらせん状外皮や膜貫通型チャネルとして働くものや、抗菌活性を示すものがあり、さらに、可逆的なカプセル封入や確率的センシングなどのための合成系で使われる。これらの多様な機能はタンパク質の構造と密接に関係している。タンパク質の構造と機能の間には密接な関係があるため、構造形成は溶液中とバルク中のすべての階層レベルで念入りに制御する必要があり、合成模倣物の設計は困難な課題となっている。実際、わずかな例外を除き、溶液中でも固体中でも安定な周期的秩序をもつ集合体を組み立てることのできる合成孔構造はまだ実現されていない。デンドリマーでは、幅広い構造体の共有結合性および非共有結合性の被覆と集合により閉じた柱が得られているだけだ。今回我々は、溶液中とバルク中で複雑な認識過程により自己集合してらせん孔を作る両親媒性樹枝状ジペプチドのライブラリーを報告する。分子認識と自己集合過程は十分に頑丈で両親媒性構造への種々の修飾に耐えることを見いだした。また、プロトン輸送の予備的な測定により孔が機能していることが確認された。この種類の自己集合性デンドリマーを用いると、孔構造に由来する機能特性をもつ、生物にヒントを得たさまざまな系の設計が可能になると期待される。 Full Text PDF 目次へ戻る