Letter 神経:マイクロRNAは連続的かつ非対称的に作用して線虫における化学的感覚の側性を制御する 2004年8月12日 Nature 430, 7001 doi: 10.1038/nature02752 動物のマイクロRNA(miRNA)は、特定のmRNA標的の発現を、その3'非翻訳領域に結合することで妨げる遺伝子調節因子である。線虫(Caenorhabditis elegans)のlsy-6(lateral symmetry defective)miRNAは、ASE left(ASEL)とASE right(ASER)と呼ばれる2つの化学的感覚ニューロンにおけるグアニルシクラーゼ遺伝子(gcy)の左右非対称な発現に必要である。そして化学受容体と推定されるこれらの受容体の非対称発現は、ASEニューロンの機能的な一側化と相関する。今回、die-1ジンクフィンガー型転写因子に変異があると、化学的感覚の側性と、ASEニューロンにおける化学受容体遺伝子の左右非対称発現がいずれも損なわれることがわかった。die-1による化学的感覚の側性の制御は、lsy-6の発現をASELでは特異的に活性化するがASERでは活性化しないことで行われる。ASERにおけるdie-1の発現は、その3'非翻訳領域内の2つの部位を介して抑制されている。この2つの部位は、これまで特徴が不明であったmiRNAの1つmir-273と相補的であり、このmiRNAの発現はASERに強く偏っている。ASELとASERでmir-273を両側に強制発現させると、die-1の非対称発現とASEの側性が失われる。したがって、2つの左右対称なニューロンで連続的に作用する2つのmiRNAがそれぞれ反対側に分布することが、線虫の化学的感覚系の側性を制御していることになる。 Full Text PDF 目次へ戻る