Article 生理:低温感受性TRPチャネルと熱感受性TRPチャネルの温度依存的開閉の原理 2004年8月12日 Nature 430, 7001 doi: 10.1038/nature02732 哺乳類の感覚系は、有害なほどの低温から高温まで、幅広い熱刺激の識別が可能である。主要な温度センサーはTRP陽イオンチャネルファミリーに属するが、これらのチャネルの開閉が著しい温度感受性を示す仕組みは解明されていない。今回我々は、低温感受性チャネルTRPM8と熱感受性チャネルTRPV1による温度の感知が、チャネルの電位依存性の開閉と密接に結びついていることを明らかにする。どちらのチャネルも脱分極によって活性化され、温度変化によりチャネルの電位依存性活性化曲線は段階的に移動する。化学的アゴニストであるメントール(TRPM8)とカプサイシン(TRPV1)は開閉を変化させる働きをもち、活性化曲線を生理的な膜電位の方向へと移動させる。さまざまな温度での開閉の速度論的解析により、TRPM8とTRPV1の温度感受性は、電位に依存した開閉に伴う活性化エネルギーに10倍の差があることからくることがわかった。今回の結果は、TRPチャネルの低温感受性、熱感受性の両方を説明できる単純な統一原理があることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る