Letter 動物行動:マツカケスは社会的順位を予測する際に推移的推論を行う 2004年8月12日 Nature 430, 7001 doi: 10.1038/nature02723 安定した大きな社会グループで生活することは、群れメンバーの認識、メンバーの社会的地位の変化の追跡、メンバー間関係の推測といった高度な認知能力の進化を促すと一般に考えられている。社会的順位内での自分の位置は、他個体との直接的な相互作用を通じて認識することができるが、衝突は時間の消費を伴い、負傷の危険さえ生じることがある。群の大きさが増すにつれて、相互関係をもつペアの数が急速に増えるので、大きな社会グループのメンバーでは間接証拠にもとづいて個体間関係についての判断ができれば利益となるだろう。したがって、他個体間の相互関係の観察から自分との関係を評価できる推移的推理能力は、社会に属する個体にとって特に重要である。社会的状況下で推移的推論が用いられている可能性があることはさまざまな研究から考えられてきたが、その現象を動物で、条件を完全にコントロールして実証したことはなかった。今回我々は、高度な社会生活を営むマツカケス(Gymnorhinus cyanocephalus)が、既知の個体と未知個体との間の相互関係を観察することで、自身と未知個体の相対関係についての推論を巧みに行うことを示す。これらの結果は、動物が社会状況で推移的推論を用いるということを直接的に実証するもので、そのような認知能力が社会生活を営む種で広く見られることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る