Letter 進化:始新世におけるクジラ類の聴覚の進化 2004年8月12日 Nature 430, 7001 doi: 10.1038/nature02720 クジラ類(クジラ目の動物)の起源は、脊椎動物における大進化を示す例としてよく引き合いに出される。ごく初期のクジラ類が絶対的な海生動物になっていくにつれて、その器官系すべてが新しい環境、つまり海に適応していった。化石記録から、この進化上の移行には1,500万年もかかっておらず、また、各器官系によって進化の仕方も違っていたことがわかっている。本論文では、初期クジラ類において外耳と中耳で音が伝わる機構(伝音系)に起こった進化上の変化について報告する。伝音系はクジラ類進化の初期に変化し、空気中と水中どちらの聴覚も高度化しない段階(Pakicetidae類に見られる)を経た。この中間段階はまもなく消え、現生のハクジラ類のものに近い伝音系に置き換わった(Remingtonocetidae類やProtocetidae類に見られる)。これらの化石クジラ類の伝音系には高度な仕組みが見られず、陸生哺乳類が空気を伝わる音を聞くうえで重要な構成成分をまだいくつか保持している。 Full Text PDF 目次へ戻る