Letter 進化:ティラノサウルス科恐竜での巨大化現象と生活史パラメーターの比較 2004年8月12日 Nature 430, 7001 doi: 10.1038/nature02699 進化の過程で体サイズの変化が、生育時期や成長速度のばらつき(異時性という)によってどのように引き起こされるかは、進化生物学における大きな関心事の1つである。特に、恐竜の仲間では巨大化につながる極端な体サイズ変化がさまざまな場面で起こった。この変化が成長の加速によるのか、それとも成熟の遅延によるのか、あるいは両者が組み合わさって引き起こされたのかどうかは不明である。非鳥類型恐竜の分類群の類縁関係について解明が進み、また、これら恐竜の成長曲線を再現する方法が近年編み出されたことから、体サイズ変化に関する疑問に対して定量的に取り組むことが可能となった。今回我々は、大型肉食恐竜の一群としてもっとも有名なティラノサウルス科の仲間で成長パターンを調べ、Tyrannosaurus rexが体重5,000 kg以上という史上最大級の巨大な陸上肉食動物に成長した生育方式を明らかにする。T. rexの最大成長速度は1日あたり2.1 kgで、骨格の完成には20年かかり、寿命は最長で28年だった。T. rexの巨大な体躯は、主として、近縁な仲間を上回る加速した成長速度によって獲得されたものである。 Full Text PDF 目次へ戻る