Letter

海洋:過去5回の氷期の終わりにインド洋と大西洋の間で生じた活発な交換

Nature 430, 7000 doi: 10.1038/nature02785

「アガラスリーケージ」(Agulhas leakage)によるインド洋と大西洋の間の熱と塩類の移動の規模は、全球的な熱塩循環を釣り合わせるために重要であると考えられている。このリーケージの増減は、大西洋の南北方向の鉛直循環の強化あるいは低下とそれに伴う北大西洋深層水形成の変動をもたらす。本論文では、アガラス渦流の形で南大西洋に移動する現代のアガラス水塊が、特有の浮遊性有孔虫群集を含んでいることを示す。この群集を現代的な連続指標として用い、ケープ海盆における堆積物の記録から過去55万年にわたるアガラスリーケージの歴史を調べた。再構成した結果からは、インド洋−大西洋の海水の交換の変動は非常に大きく、現在および過去の間氷期に増大し、氷期には大きく減少したことが示される。アガラスリーケージと北半球の夏の日射が同調して変動していることは、モンスーン系との遠隔結合を示唆している。氷期後期のアガラスリーケージの増大は氷期の氷量が最大のときに始まり、アガラスリーケージが、氷期の終了、南北両半球間の気候変動のタイミング、その結果生じる大西洋の南北方向の鉛直循環再開に、重大な役割を果たしていることを示唆している。

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