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進化:多胚生殖をするトビコバチ類の兵隊による攻撃は血縁度と相関するが、資源をめぐる競争とは相関しない

Nature 430, 7000 doi: 10.1038/nature02721

血縁選択説の予測では、個体は血縁個体に対して攻撃をあまりせず利他行動を多くとるとされる。ところが近年、理論研究が進んで、分散が制限されると血縁個体間の競争が血縁度の作用に勝ることもあると考えられるようになった。この予測される血縁度と競争の相反する作用を実験で調べるのは難しい。というのも、個体間の平均血縁度を増大させる条件には、競争を増大させる傾向もあるからである。トビコバチ科には多胚生殖性で寄生バチの仲間があり、卵がクローン分割をして一度に多数の子が産まれる。これらの昆虫は階級制度も進化させてきた。つまり1つのクローンの中で一部の胚は生殖能力のある幼虫になって成熟して成虫になるが、その他の胚は生殖能力のない兵隊幼虫になって、競争者から同胞を守る。1個の卵から生まれたクローン集団内では、繁殖に対して利他的に行動する兵隊は、繁殖を犠牲にして防衛に分業したクローンであり、ここには個体間の利害の対立はない。1体の宿主に複数の卵が産みつけられた場合には、クローン集団同士の利害の対立が生じる。今回我々は、トビコバチ科のCopidosoma floridanumでは兵隊による攻撃の度合いは競争者の遺伝的な血縁度と負の相関を示すが、資源をめぐる競争の程度とは相関しないことを示す。

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