Letter

進化:始祖鳥の脳と内耳には鳥類の特性が見られる

Nature 430, 7000 doi: 10.1038/nature02706

始祖鳥(Archaeopteryx)はジュラ紀後期層で見つかった飛翔能力をもつ鳥類(鳥群、Avialae類の最古のもの)であり、それより原始的な恐竜コエルロサウルス類(アロサウルス類よりも鳥類に近いすべての獣脚類)と共通する原始的な特徴が数多く見られる(歯や、骨のある長い尾、羽状構造をした羽毛など)。しかし始祖鳥の翼や尾にある飛羽(風切羽)は羽軸に対して左右非対称であり、このことは翼の羽毛配列とともに現生鳥類と共通している。これから考えて、自力で飛翔する能力がある程度備わっていたとみられるが、始祖鳥の脳や特殊な感覚が飛翔にどの程度適応していたかは、これまでほとんど解明されていなかった。そこで我々は、始祖鳥のロンドン標本の脳頭蓋構造をコンピューター断層撮影(CT)スキャンでとらえ、コンピューターで三次元的に復元して、この問題を調べた。本論文では、頭蓋の復元像から得た脳および内耳の頭蓋内鋳型について報告する。頭蓋内鋳型からは、始祖鳥は視覚の比重が大きく、かつ耳の聴覚や空間知覚が優れていた点で現生鳥類に非常に近いことが示唆される。我々の結論として、始祖鳥は神経および構造面で飛翔に必要な新たな適応をとげていた。前脳が大きいことから、始祖鳥は飛翔能力などの生活様式に求められるこれらの特殊な感覚と体性感覚との統合も強化させていたと考えられる。

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