Volume 430 Number 6995

News & Views

概日リズム:細菌の概日時計

As time glows by in bacteria p.23

細胞集団はきわめて正確かつ安定な概日振動を示すことができる。しかし細胞間の連絡がない単独の細胞でもこういう正確なリズムを発振できるのだろうか。ラン藻では、どうやらそれが可能らしい。highlights 参照。

doi: 10.1038/430023a

太陽系外惑星:近すぎて気が抜けない

Too close for comfort p.24

3つの巨大ガス惑星が、恒星の周りを不可解なくらい接近した軌道で回っていることがわかった。これらの「ホット・ジュピター(熱い木星)型」の惑星は、惑星の発見法や惑星系の解明に関する疑問を投げかけるものだ。

doi: 10.1038/430024a

進化ゲノミクス:ダブルが大事

Seeing double p.25

ゲノムはどのようにして進化するのだろう。多種類の酵母に関する研究から、遺伝子、染色体の大きな領域、そしてゲノム全体の重複が重要な機構であることが確かめられた。highlights 参照。

doi: 10.1038/430025a

古気候:魚の歯が伝えること

Message from the fish teeth p.26

魚の化石中の同位体組成を解析するという斬新な方法は、過去の海洋における循環やそれが気候系で果たした役割の解明、また古気候の再現モデルの検証に役立ちそうだ。

doi: 10.1038/430026a

神経生物学:一晩寝て上達する

Sleep on it p.27

睡眠の機能は、エネルギー源の補充なのか、それとも脳内の神経接続の修飾なのだろうか。「起きていた間のできごとの影響を受ける回路」の睡眠中の記録はこの疑問の一端を明らかにしてくれる。letters, p.78 参照。

doi: 10.1038/430027a

天文学:プロキオンの震動を探せ

Where are ProcyonNULLs quakes? p.29

太陽内部を通り抜ける音波と同じようなものは他の恒星にもあると考えられる。太陽系近傍のプロキオンでこのような「星地震」が探されたが、存在の証拠は得られなかった。letters, p.51 参照。

doi: 10.1038/430029a

癌:敵の性質を解明する

Understanding the target p.30

肺癌患者がゲフィチニブという薬剤に対して示す反応はさまざまだが、その理由が大分わかってきた。この治療法が効果を持つ場合と持たない場合があるのは、標的遺伝子に生じた変異を考えるとかなり説明できるのである。

doi: 10.1038/430030a

Articles

生化学:両側にエキソンを持った自己スプライシンググループIイントロンの結晶構造

Crystal structure of a self-splicing group I intron with both exons p.45

doi: 10.1038/nature02642

Letters

宇宙:プロキオンの宇宙からの測光観測では星のpモード振動は見られない

No stellar p-mode oscillations in space-based photometry of Procyon p.51

doi: 10.1038/nature02671

量子情報科学:5光子絡み合いとオープンデスティネーション・テレポーテーションの実験による実証

Experimental demonstration of five-photon entanglement and open-destination teleportation p.54

doi: 10.1038/nature02643

物理:分極力に起因するサイクロトロン周波数のシフト

Cyclotron frequency shifts arising from polarization forces p.58

doi: 10.1038/nature02682

材料:単結晶金属ナノワイヤーおよび金属/半導体ナノワイヤーヘテロ構造

Single-crystal metallic nanowires and metal/semiconductor nanowire heterostructures p.61

doi: 10.1038/nature02674

海洋:新生代初期の温暖期に北太平洋で深層水が作られた証拠

Evidence for deep-water production in the North Pacific Ocean during the early Cenozoic warm interval p.65

doi: 10.1038/nature02639

環境:ベンガルデルタ堆積物からのヒ素流出に金属還元細菌が果たす役割

Role of metal-reducing bacteria in arsenic release from Bengal delta sediments p.68

doi: 10.1038/nature02638

生態:大規模な気候変動指数が局所の天候よりも生態過程の予測に優れているように思われる理由

Why large-scale climate indices seem to predict ecological processes better than local weather p.71

doi: 10.1038/nature02708

古生態:オルドビス紀末期の生物大量絶滅の後にマイクロバイアライトが再興

Microbialite resurgence after the Late Ordovician extinction p.75

doi: 10.1038/nature02654

生理:個々のラン藻で見つかった回復力の強い概日振動体

Resilient circadian oscillator revealed in individual cyanobacteria p.81

doi: 10.1038/nature02533

進化:遺伝子のシス調節とトランス調節にみられる進化的変化

Evolutionary changes in cis and trans gene regulation p.85

doi: 10.1038/nature02698

細胞:酵母のタンパク質間相互作用ネットワークにおける動的に組織化されたモジュール性の存在を示す証拠

Evidence for dynamically organized modularity in the yeast protein-protein interaction network p.88

doi: 10.1038/nature02555

発生:PTK7/CCK-4 は脊椎動物における平面内細胞極性の新規調節因子である

PTK7/CCK-4 is a novel regulator of planar cell polarity in vertebrates p.93

doi: 10.1038/nature02677

環境:窒素固定も行う植物による硝化

Nitrification by plants that also fix nitrogen p.98

doi: 10.1038/nature02635

生化学:βシート折りたたみのエネルギー特性に対する主鎖水素結合の周囲環境に依存した寄与

Context-dependent contributions of backbone hydrogen bonding to β-sheet folding energetics p.101

doi: 10.1038/nature02611

「Journal home」に戻る

プライバシーマーク制度