Review Article 生態:サンゴ礁存続の危機に立ち向かう 2004年6月10日 Nature 429, 6994 doi: 10.1038/nature02691 サンゴ礁は世界規模で減少しており、現行の保全管理のあり方の早急な見直しが求められている。大規模な危機に直面しているいま、サンゴ礁の回復力を支える生態系内の諸過程をこれまで以上に理解したうえで、これをもとに保全管理策を大幅に拡大する必要がある。生態系のあり方を決めるのに人間活動が果たす役割も組み込みながら回復力を向上させる保全管理策は、将来の変動や生態系の突然の出来事といった不確定な状態に対処するための下地となる。本論文では、(サンゴとサンゴ礁魚類のどちらにとっても)重要な機能上の分類群(functional group)が生態系で果たす役割を概説する。こうした情報は、サンゴ礁の回復力を理解し、サンゴの栄える生態系からサンゴの減少したあまり好ましくない生態系への相移行を回避するために必須である。機能上の分類群は、種の豊富さや構成に顕著な生物地理的な差が見出され、これにより、カリブ海サンゴ礁生態系の脆弱さが一目瞭然となる。今回の知見は、衰退したサンゴ礁の回復や、漁業統制、そして保護海域や生物多様性ホットスポットへの保全策の優先的集中などに大きく関わってくる。 Full Text PDF 目次へ戻る