Letter 神経:ヒト老化脳における遺伝子制御とDNA損傷 2004年6月10日 Nature 429, 6994 doi: 10.1038/nature02661 ヒトの脳の老化は高齢者の認知機能低下の原因であり、アルツハイマー病の主要なリスクファクターとされている。一生のどの時期に脳の老化が始まるのかは明らかにされていない。26歳から106歳までのヒトの前頭皮質における転写プロファイリングから、40歳を超えると発現が減少する一連の遺伝子が明らかになったので、本論文でこれを報告する。これらの遺伝子はシナプス可塑性、小胞輸送およびミトコンドリア機能において中心的な役割を果たすものである。これは、ストレス応答、抗酸化物質およびDNA修復遺伝子を伴う。DNAの損傷は、高齢者の皮質で発現が減少している遺伝子のプロモーターで顕著に増加している。さらに、これらの遺伝子プロモーターは培養ヒトニューロンでは酸化ストレスにより選択的に損傷を受け、DNAの塩基除去修復が低下する。したがって、DNA損傷は学習、記憶およびニューロンの生存に関与する特に脆弱な遺伝子の発現を減少させ、成人期の早い段階で始まる脳の老化プログラムを開始させている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る