Letter 材料:鉄添加による磁気冷媒Gd5Ge2Si2のヒステリシス損失の減少 2004年6月10日 Nature 429, 6994 doi: 10.1038/nature02657 磁気熱量効果は、材料を外部磁場中に置いたときに磁気スピンが整列するために起こる温度変化である。この現象は、従来の冷凍系よりも効率が高く環境にやさしいとされる磁気冷凍の概念の基礎となっている。1997年に、Gd5Ge2Si2が270 Kと300 Kの間で「巨大な」磁気熱量効果を示すことが報告され、室温付近での磁気冷媒としての可能性が示された。しかし、同じ温度域で大きなヒステリシス損失が起こるため、磁気冷凍の効率が下がってしまう。今回我々は、この化合物に少量の鉄を加え合金とすることで、このヒステリシス損失を90%以上低減したことを報告する。合金化により、冷凍機の最適作動温度の指標となる磁気エントロピー変化のピークが275 Kから305 Kに上がり、温度幅が広くなるという余録も得られた。鉄の添加はこの材料の冷凍能力にあまり影響しないが、ヒステリシス損失が抑えられるので正味の能力は高くなる。このように、鉄を含む合金はより優れた室温付近用の磁気冷媒となる。 Full Text PDF 目次へ戻る