Letter 遺伝:ブルーム症候群遺伝子の限定的破壊を利用したES細胞のゲノム全域の表現型分析 2004年6月10日 Nature 429, 6994 doi: 10.1038/nature02646 哺乳類で表現型に基づいて遺伝子スクリーニングを行う場合には、ゲノムが二倍体であることが大きな制約となる。ブルーム症候群遺伝子(Blm)に異常のある細胞は、ヘテロ接合性の喪失率が上昇する。今回我々はマウスの胚性幹(ES)細胞において、テトラサイクリンで調節されるBlm対立遺伝子(Blmtet)を使って、ゲノムの2つある対立遺伝子両方に変異を導入した。一時的にBlmの発現を停止させると、姉妹染色分体間だけでなく相同染色体間でも相同的組換えが起こる。二対立遺伝子変異をもつES細胞の表現型は、テトラサイクリン系化合物であるドキシサイクリンを取り除いても、そのまま維持されるだろうと考えられる。実際に、N-エチル-N-ニトロソ尿素による変異導入と一時的なBlm発現の停止を組み合わせることにより、ゲノム全域に二対立遺伝子変異をもつES細胞ライブラリーを作成できた。このライブラリーを評価するため、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー生合成の変異体のスクリーニングを行った。この生合成には、ゲノム全域にわかれて分布する少なくとも23個の遺伝子がかかわっている。スクリーニングにより、12の遺伝子について変異体が得られ、未同定だがさらに2種類の変異体が見つかった。今回の結果が示すように、Blmtetを用いた表現型に基づく遺伝子スクリーニングは非常に有効であり、ES細胞で遺伝子機能が同定できる可能性が高まった。 Full Text PDF 目次へ戻る