Letter 遺伝:母方および父方インプリンティングにおけるde novoDNAメチルトランスフェラーゼDnmt3aの重要な役割 2004年6月10日 Nature 429, 6994 doi: 10.1038/nature02633 インプリンティングを受ける遺伝子は、配偶子形成時にエピジェネティックな修飾を受け、子では母由来と父由来の対立遺伝子の一方のみが発現する。インプリンティングは哺乳類の単為生殖を妨げており、先天性奇形症候群、腫瘍およびクローン動物でしばしばインプリントの異常が見つかる。Dnmt3ファミリーのde novoDNAメチルトランスフェラーゼは母方のインプリンティングに関与することが示唆されていたが、Dnmt3aとDnmt3bのノックアウトマウスが致死であるため、詳しい研究はできなかった。今回我々は条件的ノックアウトの手法を用い、生殖細胞のみでDnmt3aとDnmt3bを破壊し、体細胞ではその機能を維持させた。その結果、Dnmt3aの条件的突然変異雌マウスの子は胎生致死となり、母方でインプリントされる遺伝子座のうち、解析した全遺伝子座でメチル化と対立遺伝子特異的な発現が消失した。Dnmt3aの条件的突然変異雄マウスでは、精子形成異常が見られ、精原細胞で解析した父方でインプリントされる3つの遺伝子座のうち2つにメチル化消失が見られた。これに対し、Dnmt3bの条件的突然変異体およびその子孫には表現型の異常は認められなかった。Dnmt3aの条件的突然変異体の表現型は、1つの遺伝子座でメチル化状態の違いが見られた以外、Dnmt3Lのノックアウトマウスと区別できない。これらの結果は、生殖細胞でインプリントされるほとんどの遺伝子座のメチル化にDnmt3aとDnmt3Lの両者が必要であることを示しており、同時に他の因子の関与も示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る