Letter 植物科学:植物の維管束分化における誘導作用を仲介するプロテオグリカン 2004年6月10日 Nature 429, 6994 doi: 10.1038/nature02613 誘導的な細胞間相互作用は、植物および動物における細胞運命決定の制御に不可欠である。しかし、植物における誘導シグナルの化学的基盤の理解は進んでいない。我々がザイロジェン(xylogen)と命名したプロテオグリカン様因子は、in vitroで培養したヒャクニチソウ(Zinnia)細胞の木部分化を誘導する、局所的細胞間相互作用を仲介する。今回、ザイロジェンを精製し、その相補的DNAをクローン化し、植物体での役割を明らかにしたので報告する。ザイロジェンのポリペプチド骨格は、アラビノガラクタンタンパク質と非特異的脂質輸送タンパク質の両方の特徴をもつ混合型分子である。ザイロジェンは、分裂組織、前形成層、木部に局在しており、木部では、分化途上の管状要素の細胞壁の片側に極性をもって蓄積する。ザイロジェンタンパク質をコードする2つの遺伝子を欠くシロイヌナズナ二重変異体では、維管束の形成異常、不連続な葉脈、不適切に相互接続した管状要素、葉脈の単純化が認められた。この結果は、極性を持って分泌されたザイロジェンが、隣接した細胞を維管束分化経路に引き込み、維管束の連続的な分化を引き起こすことを示唆しており、植物の組織分化に関わる誘導的細胞間相互作用を仲介する分子が今回同定されたと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る