Letter 古生態:アラスカ沖ベーリング海の島に取り残されたマンモスが完新世中期まで生き延びたことを示す放射性炭素年代測定の証拠 2004年6月17日 Nature 429, 6993 doi: 10.1038/nature02612 更新世の長鼻類が島に定住して、のちに小型化したことは、進化および生態上に特に劇的な出来事であり、更新世末に島の個体群が絶滅せず生き延びる一方で、近くの大陸にいた個体群は死滅した場合はまさしくそうといえる。たとえば、ロシア北方のヴランゲル島からは完新世のマンモスが出土している。こうした例の多くでは、島への定住と絶滅がどのように起こったか、その動態について入手できる詳細な情報がほとんどない。アラスカ産マンモス化石の大規模な放射性炭素年代測定計画の一環として、更新世末の海進時に形成されたことが知られるベーリング海の島々から産出したマンモス化石標本を加え、今回この問題に取り組んだ。放射性炭素年代測定で現在より7,908±100年前の化石が見つかり、完新世のセントポール島にはマンモスが存在したことが実証された。これはアメリカ大陸全体について完新世の島にマンモスがいたことを示す初めての記録である。4通りの証拠、つまり、加速器質量分析法(AMS)によりアラスカ本土のマンモス化石から得た265件の放射性炭素測定年代、アラスカ沖の島のマンモス化石から得られた13件の新しい測定年代、水深測量のプロットを最近再構築した結果、およびベーリング海の海進速度によって、マンモスがプリビロフ諸島に取り残されるに至った経緯を再現し、これがアラスカ沖ベーリング海の他の島々では起こらなかったと見られる理由を考察することが可能になった。 Full Text PDF 目次へ戻る