Letter 生態:バイオームの雨水利用効率は収束する 2004年6月24日 Nature 429, 6992 doi: 10.1038/nature02561 利用可能な水量は、ほぼすべての陸上生態系における植物の生育および生産量を制限する。しかしバイオームでは、降水量の年度間変動に対する地上部純一次生産量(ANPP)の感度が大きく異なる。平均雨水利用効率(RUE; ANPP/降水量)もバイオーム間で変動するが、これは植生構造や生物地球化学的な制約の差に基づくと考えられている。本論文では、平均年間降水量が増大すると、どのバイオームでもRUEが低下することを報告する。しかし、各観測点で最も雨の少ない年度には、乾燥生態系に特徴的な、共通の最大RUE値(RUEmax)へ収束する。またRUEmaxは、水や他の資源による制限の規模を実験的に変化させることでも認められた。したがって水量が主な制限となる年度には、砂漠、草地、森林はいずれも、相観や観測点レベルのRUEの差があるにもかかわらず、単位降水量あたりのバイオマス生産量の比率が同等である。全地球気候モデルでは、降水量の年度間変動の拡大、極度の乾燥の発生頻度の増加、および気温変化が予測されている。将来の生態系の挙動を予測する際には、陸上バイオームにみられる、こうした収束性を考慮すべきである。 Full Text PDF 目次へ戻る