Letter 進化:同所性の同属コウモリ5種の反響定位信号はニッチへの分化を反映している 2004年6月24日 Nature 429, 6992 doi: 10.1038/nature02547 反響定位をするコウモリは、好む生息場所や採餌行動によってギルド(同一の栄養段階に属し資源の共通する複数種)に分けられ、これらの特徴は翼の形態に見られる適応や反響定位信号の構造と一致する。異なるギルド間でニッチ空間がおおまかに構造化されていることは認知されているが、ギルド内部でニッチがどう違うのか、また微細なニッチ分化が存在してそれが反響定位信号の構造に反映されているのかどうかは不明である。今回我々は標準的な能力テストを使い、ヨーロッパ産ホオヒゲコウモリ属(Myotis)のコウモリ5種においては、獲物の捕獲成功率に、散乱に依存した差異が見られることを示す。これらの種は形態的に類似しており、同所性で、すべて「周縁空間飛行型/トロール式採餌者」と称されるギルドに属する。また、これらの種の獲物感知能力と、それぞれの探査音波の帯域幅との間に強い相関があることも示す。我々が得た知見は、反響定位信号の違いが、ギルド内部のニッチ分化に関与していることを示すものだ。これは、競合の可能性のある複数動物種の一群に備わる感覚能力と、種それぞれの採餌能力の直接測定結果とを関係づけ、動物群集の構造化において感覚生態学が重要な役割を果たすことを示唆した初めての研究成果である。 Full Text PDF 目次へ戻る