Letter

物理:銅酸化物超伝導体のストライプから生じる量子磁気励起

Nature 429, 6991 doi: 10.1038/nature02574

高温超伝導体の母体化合物となる銅酸化物では、強い原子内クーロン反発力が原因となって各銅サイトに1個の価電子が局在する。この局在は反強磁性になって現れ、局在電子の上向きスピンと下向きスピンが交互に配列する。超伝導は、動くことが可能な「ホール」をこの絶縁性状態にドープすると現れ、反強磁性ゆらぎと共存する。この共存を記述する方法の一つでは、ホールが「ストライプ」へと自己組織化し、銅-酸素面内でこのストライプが反強磁性(絶縁性)領域と交互になって配列すると考える。このような状態には、非従来型の超伝導機構が必要になるだろう。しかし、この描像には明らかな問題が存在する。すなわち、最適ドーピング近くの超伝導体YBa2Cu3O6+xで行われた磁気励起の測定結果が、ストライプを持つ物質に対する単純な予測と合わないのである。本論文では、ストライプが秩序化したLa1.875Ba0.125CuO4で行った中性子散乱測定の結果を報告する。観測した励起は意外にも、YBa2Cu3O6+xの励起と極めて似ていることが分った。ストライプを持つ物質に対して予言されていた磁気励起スペクトルは誤っていたのである。観測されたスペクトルは量子励起を考慮したストライプモデルで理解できることが分った。これらの結果から、ストライプ相関は高温超伝導が発現する必要条件とする考えが支持される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度